学園

いのちの光

2017/04/01
いのちの光 『希望―祈りつつ前進』

 

高等学校宗教主任 浅居 正信

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」

(テサロニケの信徒への手紙一 5:16~18)

新しい年度を迎えました。1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。さまざまな想いを持って入学されたことと思います。この学園のすべての人が新たな想いを胸にこの時を迎えています。「祈りつつ前進」4月は希望の季節です。テサロニケの信徒への手紙は、パウロという人がテサロニケという商業都市の人々に宛てた手紙で、新約聖書の中で、最古の文書です。今日の聖書の箇所で「神が私たちに望んでおられることが3つ述べられています。

①まず「いつも喜んでいなさい」

②「絶えず祈りなさい。」

③「すべての事について、感謝しなさい。」

ナチスドイツが作ったユダヤ人強制収容所に自らも収容され、そこでの記録『夜と霧』を記したユダヤ人の精神科医ビクトル・フランクルという人がいます。彼は精神科医として苦難の中で苦しんでいる人々の心を癒すために「ロゴセラピー」という治療方法を提唱しました。フランクルはアウシュヴィッツ強制収容所体験の中で、「収容所の過酷な労働条件や悪い栄養状態によるよりも、むしろ未来を信じることができなくなった人が、生きる拠り所を失って、内的に崩壊し、身体的にも心理的にも転落して死んで行った、逆に未来に目的を持った人は、過酷な状況の中でも生き延びた」と記しています。フランクルが度々、主張したことは「人間は出来事の意味を求めている」ということです。そしてその意味を人間が見出すとき、その人は苦難の中でもそれに耐ええる力を発揮することができると言うのです。未来に目的を持って生きることが大切なのです。

キリスト教は、祈りの宗教とも言われます。祈ることを大切にします。なぜ大切にするのか? 祈ることは、未来に希望を持つことができることにつながるからこそ大切なのです。祈ること、人間のみができる行動でもあります。

歴代のクリスチャンたち、そして創立者のヴォーリズ先生、満喜子先生も絶えず祈ってこられました。祈りを通して神様が守り、導いてくださることを信じつつ歩んできたのです。そしてその祈りが、希望をもって、明日に目的を持ちつつ、未来を見ることができたのではないでしょうか。「今月のテーマは「祈りつつ前進」。今から、いつも喜んで、絶えず祈り、すべてのことについて感謝する生活を送りましょう。

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