近江兄弟社中学校1年生の数学では、数学への興味・関心を維持すること、そして、高めることを大切にしています。そこで、通常の授業の補助教材として、Qubenaというアプリを活用しています。
Qubenaは、AI(人工知能)により個々の理解に応じた学習を実現するものです。AIが問題への取り組み結果を分析することにより、苦手な部分の説明、および、復習問題の提示により、反復学習することを実現します。これにより、「わからない」から「わかる」への段階を着実に積み重ねることができます。
また、通常の授業の理解度、到達度を測定することが可能なことに加え、習熟度に応じてステップアップ問題や予習にも活用することができます。
中学校1年生 数学科担当 中島晃貴
今年、中学校1年生全4クラスの数学を担当しています。中学1年生を担当するのは、2回目となります。
以前、中学1年生を担当したときに感じた難しさは、3つありました。
1.小学校での算数の理解を確認し、それぞれの生徒に必要な復習の時間を確保すること
2.中学校での数学授業の理解度に応じた復習問題を提示すること
3.理解度に応じた問題練習を実施すること
2度目の中学1年生を担当するにあたり、iPadにQubenaをインストールすることを選択しました。以前に感じた課題に対して、Qubenaを以下のように活用しています。
1.入学前に小学校の算数の総復習課題を出題して算数の定着を確実にする
入学式前にiPadを渡す段階でQubenaをインストールしました。そして、小学校の総復習問題400問を入学までの確認問題として出題しました。これによって、小学校で理解ができていない単元をAIにより反復学習することが可能となりました。400問という多くの出題になりましたが、予想をはるかに超えて、多くの生徒があっという間にすべての問題を解答してくれました。楽しみながら学習できることが要因の一つだと思います。
2.授業の復習として利用し、理解を定着させる
授業では、理解度の確認のためにQubenaを利用します。問題を出題すると、それぞれの生徒の理解度によって追加の問題が作成されます。これにより、基礎から発展までの学習を繰り返して学習することができます。
3.理解度に応じた問題練習を実施する
Qubenaの導入は、個々の力に応じた基礎的な学習を積み重ねることを実現しました。また、基礎だけではなく、意欲のある生徒にはステップアップ問題を提示することもできるので、意欲、関心に応じた出題にも対応していることもQubenaの強みだと思います。
中学1年生の数学の学習は、まだ始まったばかりです。7月からは文字式の学習を始めます。つまずきやすい生徒が出やすくなる単元でもあります。授業での学習を丁寧に行う事、Qubenaで理解を確認しながら学習すること、ステップアップ問題にチャレンジすること、このサイクルを活発にさせることで、より深い学習につなげていきたいと思っています。
近江兄弟社中学校では、教育効果の検証をしています。中学校1年生の数学では、数学に関する意欲・関心、数学の学習の取り組み記録(Qubenaの利用)、数学の学業成績、これら3つのデータの関係性を検証していくことを課題としています。新しい時代の数学科教育、ICTを用いた学習、個別最適化学習などの教育効果を検証し、より良い教育を生徒たちに提供できるよう検証していきたいと思います。