デジタル地の塩

校長通信

2019/06/10
聴くことの大切さ ( term2の始業にあたって )

今年度私は、皆さんの前で話をする機会を多くいただけるようになりました。皆さんにどんなことを伝えようか考え、話すのですが、やはりちゃんと伝わるだろうかと心配で緊張します。そんな時、こちらを見てにこやかに視線を送ってくれている生徒の皆さんの顔や真剣に話を聴いてくれている顔、うなずいてくれている姿などを見ると、落ち着き、力が湧いてきます。
クラス礼拝や全体礼拝でのお話し、生徒会行事、何かの発表等で人前で話した人はそんな経験が思い浮かぶかもしれません。

さて、人とコミュニケーションをとるというと、「伝える」行為が浮かびますが、実は「聴く」ことも大切な、そして有力なコミュニケーションの方法です。というのも、「聴く」という行為は「伝える」という行為に比べて一見受け身のように見えますが、実はとても能動的な行為なのです。まず、相手のことを知りたいという、相手を受け入れる「受容性」が必要です。先ほど、一生懸命聴いてくれる皆さんの姿を見て、落ち着き、力が湧いてきたというのは、受け入れられているという安心感からなのです。
そしてさらに「聴く」ことには、話の内容を理解するための「論理性」や「集中力」も求められます。 「聴く」ことによって相手を相手の考えを理解するということは、心と頭の両方を使い、意識を相手に向ける必要があるのです。

一般に、人は自分の話がしたい、聞いてほしいと思っています。理解するよりは理解されたいものです。もしお互いにそうであるならば「関心の綱引き」になってしまい、相互理解は難しくなります。誰かが聴く方に、理解する方に回ることでコミュニケーションが円滑に進められるのです。

「聴く」ことは人を安心させる、人を支えるという大切な働きです。ただし、そうすることは決して簡単なことではありません。「聞いてほしい」「理解してほしい」と言う人間の自然な状態に逆らうことなので、強く意識することが必要となります。ヴォーリズ学園の祈りの一説にもあるのはそのためです。

さらに聴くことによって、「この人はこんなことを思っていたのか」とか、「こんな面があるんだ」とか、「実は頑張ってたんだな」とか、相手に対して様々な情報やいろいろな発見が得られます。そして、自分と共通しているところを知ることができ、より相手との距離が近く感じる事ができたり、自分と違うところや考えを知り、多様な考えや感じ方があることを知ることができたりします。「聴く」ことを大切にする姿勢は信頼につながります。

term1では友だちや先生とのつながりを求めて、自分の情報をまずは発信しました。
term2では相手を受け入れる、支える、また様々な情報を得る、「聴く」ことを意識してください。きっと多くの発見があります。
さらに「聴く」ことによって、自分の思いや考えの発信の仕方も変わってくるのではないでしょうか。

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学校法人ヴォーリズ学園 近江兄弟社中学校 EVENT MOVIE
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