これまでの100年、
そしてこれからの100年も!

ヴォーリズ学園 理事長 藤澤俊樹
ヴォーリズ学園 理事長 藤澤俊樹

2024年は、「ヴォーリズ没後60年」、2025年は「ヴォーリズ来日120年」という節目の年です。この間、三日月知事にもご出席をいただいて、ヴォーリズについての勉強会を重ねてきましたが、そのまとめの冊子ができあがり、「シンポジウム」も開催される予定です。その他、びわ湖放送でヴォーリズについての特別番組が企画されるなど、ヴォーリズを顕彰する動きが始まっています。
こうした「追い風」にしっかり帆をはり、少子化・人口減少など厳しい情勢の中でも、しっかり前へ進みたいと思います。

教育改革について
まず動き出したのはグローバル人財の育成プログラムです。外務省の山田基靖氏を顧問に迎え、この度、アメリカのマーセッドカレッジ(UCグループ)と提携する運びとなりました。いよいよ海外の大学への進学が選択肢に入ることになります。さらには2024年度から、「リベラルアーツ国際ゼミ」をカリキュラムの中に位置づけるべく準備しています。
今後、海外からの入学生の受け入れ等についても検討します。
市井校地整備
今、教育改革で最も求められるのは、「知識の伝達」から「主体的に学び、仲間と考え、発信する」という学習スタイルへの大転換です。そんな学びのステージとして恵愛館を建て替え、「ラーニングコモンズ」とすることを決め、大学を中心として施設の視察をしながら検討しています。
併せて西館をはじめ、既存の施設についても総合的な計画を立てて整備したいと思います。
エデュケア部門の拡充
学園運営のこども園3園、保育園3園すべてに共通するヴォーリズメソッド「いのちを大切にする教育」を確立し、実践の軸とします。また安土ののはな保育園の2期工事も無事完了、今後は金田東保育園のこども園化、新園舎建築に注力します。
ハイド記念館等保存活用
2023年10月より、土日祝日も含め公開し、入館者数はすでに1000名を突破しました。2024年2月15日からは滋賀県立大学ヴォーリズ研究会による「ヴォーリズ建築図面展」を開催しています。その内容はヴォーリズの建築図面を写真や映像で見ていただけるだけでなく、模型も展示され、さらには工夫を凝らして、その思想も紹介するものです。ヴォーリズの思想や新しい建築の見方に触れていただけるものと期待しています。また第1・第3土曜日には、有志によるコーヒー販売もあり、コーヒーを飲みながらヴォーリズ建築を味わっていただけます。
今後もこうした努力を重ね、地域の宝としての同館の理解を深めてもらいながら、その保存計画を立てていきたいと思います。
「ヴォーリズみらいビレッジ」について
浅小井校地を「ヴォーリズみらいビレッジ」と名付けて、活用を進めています。地元の「有限会社ウエスト」による、子どもさんやその保護者のための「つながルームイベント」、「一般社団法人FCヴォーリズ」による「キッズフェスティバル」やサッカー事業などが展開されています。その他、「一粒社ヴォーリズ建築事務所」の図面資料庫、「滋賀YMCA」のスポーツ事業、造形教室、近隣の企業「メニックス」の活動など、少しずつ活発な活動のステージになりつつあります。
その他
北之庄校地の「ヴォーリズの森」には、2024年春、立命館大学学生団体CLOWN により、「ツリーハウス」が作られ、3月17日に完成イベントを行いました。
また離れた校地へのアクセス、スクールバス事業の拡充なども喫緊の課題となっています。