理事長挨拶

理事長 藤澤俊樹

理事長藤澤俊樹

2021年度
スタートにあたり

厳しい情勢ですが

我が国は、未曾有の「人口減少時代」に突入しました。2050年にはおよそ9700万人に、今世紀末には中位推計で6000万人に減少します。人口減少による市場の縮減、さらには労働人口の減少は、経済に深刻な影響を与えるでしょう。

そこへコロナ禍です。新型コロナウイルスのパンデミックは国内消費や輸出に打撃を与え、戦後最悪となる落ち込みを記録しています。その対策による公財政の悪化も心配されます。「日本が縮む」「国のカタチが変わる」危機的事態に直面しているといえるでしょう。「右肩上がり」の社会や経済を前提にした発想は改めなければなりません。

「ポストコロナ」は景色が変わると言われます。現在の変化には不可逆的なものが含まれています。まず経済成長優先の時代に戻るという選択肢はないと思います。「現在の人類の消費エネルギーが地球1.7個分」と言われます。このままでは地球が持ちません。そうした深刻な危機意識から、国連では、2001年に策定された「MDGs」(ミレニアム開発目標)に続き、2015年にはSDGs(持続可能な開発目標)が採択されました。今、世界が一丸となって、あらゆる貧困・差別をなくし、環境保護や社会開発を両立するための取り組みが始まろうとしています。

「グローバル化」の進行は、ストップしたかに見えますが、質的に変化しながら、進行し続けるでしょう。つまり表面的な「海外雄飛」とか「インバウンド」増加といったものから、真の「共生」「協働」へと質的変化し、本当の意味でのグローバル化・国際化を進めなければなりません。そうでなければ、我が国は孤立し、埋没するしかなくなります。

世界に遅れをとっていた「高度情報化」の流れは、コロナ禍で加速しています。一気に「リモートワーク」や「オンライン会議」が広がりました。世界の趨勢をみてもこの流れは止まらないでしょう。

ヴォーリズみらい構想

こうした激動の情勢に、私たちも覚悟を決めて対応したいと思います。学園の中期展望策定プロジェクトを「ヴォーリズみらい構想」と名付け、「地方創生」や「SDGs」に寄与すること、学園の総力を結集するとともに広く連携を模索することを大切にすることを目指します。その進捗状況を報告します。

  1. 地域のスポーツ活動拠点づくり

    浅小井校地グラウンドの拡張・人工芝化、北之庄校地グラウンドの整備等の事業を検討・推進しています。中高のクラブ活動のステージ以外にも、サッカー協会との連携事業や滋賀YMCA等への貸出事業等を進め、地域スポーツの拠点としての活用を目指しています。

  2. 「ヴォーリズスタディーセンター」(仮称)

    浅小井校地では、小学校の教育に最後まで全力で取り組むとともに、今後の有効活用について準備しています。将来的には「SDGs」の活動拠点として、地域に貢献できればと考えています。現在、地域の様々な団体や企業と、その活用について協議しています。いよいよ2021年度から少しずつ事業ををスタートさせたいと思います。大切な第一歩です。スタートの覚悟を決め、確かな一歩を踏み出したいと思います。

  3. ハイド記念館・教育会館保存活用

    財団の「ヴォーリズ記念館」と併せて、「地域の宝」として、その保存・活用を進めます。6月にそのための「保存活用推進協議会」を近江八幡市・商工会議所・観光物産協会等地域の皆様のお力をお借りし、立ち上げます。また「まちや倶楽部」を中心とした地域の商店街の皆さんや滋賀県立大学「ヴォーリズクラブ」の皆さんが進められる「ヴォーリズストリート構想」とも連携します。

創立100周年を前に

ヴォーリズ学園は、来年、創立100周年を迎えます。それまでに、「ヴォーリズみらい構想」の全体構想を明確にしたいと思います。そして新たな学園のカタチを内外に示す、そうした時としてその日を迎えたいと思います。

そのためには、上記課題に加えて、いやそれ以上に中高やエデュケア部門(こども園・保育園等)の展望策定が重要です。具体的には、高校西館の「建て替え」もしくは「改修」または「新校舎建設」が必要となります。今後、予想される教育展開のステージとして、どのカタチが良いか、先進校施設の視察や十分な学内討議を進めたいと思います。エデュケア部門の事業についても、安土保育園・金田東保育園の施設老朽化が進んでおり、「リニューアル」(建て替え・こども園化)が課題となっております。行政の動向を見極めながら、解決してまいります。周辺自治体より新規展開の依頼も複数ありますが、今後の人口動態・保育ニーズを考慮し、対応を決定します。

そして言うまでもないことですが、もっとも重要なことは学園の教育・保育を充実発展させることです。そのために、私は、学園教育の大きな柱として次の4点を提起しています。具体的推進に向けて、学園をあげての議論を進めたいと思っております。(この点については次回更新時に詳しく説明します)

  1. いのちを大切にする教育
  2. リベラルアーツ教育
  3. 「オン・キャンパス」「オン・ライン」「ハンズオン」
  4. 「グローバルSDGs人財」の育成

以上、ヴォーリズ学園は、総力を結集して、粘り強く、一歩ずつ、「みらい」を切り開きます。そして「コロナ後」、どのようにその景色が変わろうと、輝き続けたいと思います。皆様のご理解・ご支援を心よりお願い申し上げます。

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