校長の春日井です。今日で2学期制の前期が終了となります。
8日には、滋賀国スポの閉会式があり、高文連合唱専門部長として開閉会式に参加してきました。滋賀県は、44年ぶりの女子総合優勝、男女総合優勝という最高の結果でした。選手やスタッフとして参加された生徒の皆さん、役員や生徒引率などで参加された先生方には、本当にお疲れさまでした。また、先日壮行会を行いましたが、11月6日、7日には1、2年生を軸にして、高体連、高文連の大会や発表会があります。野球部は、近畿大会出場をかけた一戦が11日10時から皇子山球場であります。可能な人は応援に駆けつけてください。11月の大会・発表会に参加される皆さんは、日々の練習の成果を発揮して、精いっぱい頑張ってください。
加えて、2年生は海外研修、3年生は進路選択に向けた重要な時期を迎えています。9月からは、放課後ゼミが再開され、トモノカイによるチューター学習室の取り組みも毎日希望館で行われています。1、2年生も含めて、これらを大いに活用して、後期はじっくりと学びを深める時期にしていってください。まさに文武不岐です。今週は、そのための大切な視点に触れる講座がたくさん開かれました。人権学習では、弁護士伊藤真(まこと)先生による「憲法と私たち」と題した講演があり、憲法13条の個人の尊厳、幸福追求権を土台にして、時間軸(歴史的視点)と空間軸(他者とのつながり)を広げていくこ、なぜという問いを持ち続けることの大切さを話していただきました。
戦後80年特別平和礼拝では、本校の卒業生であり、本校から初めて海外留学をされた東京学芸大学名誉教授の飯高京子先生による「平和の使者―活かされて歩む」と題した講演があり、平和問題に関する歴史や現在の課題等について、飯高先生の生き方を通して話していただき、私たちも自分事として考える大切な機会となりました。グローバルコースの1,2年生では、キャリア教育の一環として卒業生から学ぶ「未来塾」の講座もあり8名の先輩たちに来ていただきました。2年生では「性教育」の講座も行われました。こうした貴重な機会の中から、みなさんには、自身の生き方や社会とのつながり方、働き方などについてじっくり考えてほしいと期待しています。
この間、本校の出身者が大活躍してくれています。滋賀国スポの閉会式で司会を務めていたのは、卒業生で俳優、ファッションモデルの八木莉可子さんでした。また、10月4日のテレビ放送アナザースカイには、本校出身の俳優、堀田真由さんが出演し、本校でもロケが行われ、友人や担任だった川口先生が登場しました。堀田さんは、八木莉可子さんと同様、アナザースカイの新MCとして今後出演されます。誠実さ、明るさ、優しさ、芯の強さ、他者とのつながりなど、本校の生徒のみなさんの強みと共通するものをお二人からも感じてうれしくなりました。
また、今週は、日本人のノーベル賞の受賞が相次ぎました。
大阪大学特任教授の坂口志文(しもん)先生のノーベル生理学・医学賞と京都大学特別教授 北川進先生のノーベル化学賞です。
坂口先生は、長浜市の出身で、「一つ一つ」を座右の銘にして「がんこに続けること」の大切さをインタビューで強調されていました。中学校は美術部、高校は途中からあまり行かなくなって自宅で勉強していたそうです。スポーツや芸事、サイエンスなど、なんでも続けることが大切だと話されていました。細胞は、自分と他者をどう区別しているんだろうかといった哲学的な問いをベースにして、免疫が制御される仕組みの基礎研究を行い、感染症や花粉症といったアレルギー、癌などの治療、予防につなげたいと研究を進めてこられました。「研究って、創造的でワクワクする」「学生や共同研究者などのチームで研究をしてきたからできた」「しかし、学会や周囲から全く認められなかった時期もあった」ことを強調されていました。北川先生も同様の趣旨のお話をされていました。
こうした先人の歩みに学び、刺激を受けながら、私たちも日常の学びと生活の中で、「問を持つこと」、「わくわくするようなことを見つけて続けていくこと」、「困っている誰かの助けになるようなことを考えて探究していくこと」、「心ある仲間と協働してやっていくこと」などをお互いに大切にしていきましょう。