ICC(国際コミュニケーションコース)では、11月16日~28日までの13日間、オーストラリアへの海外研修が始まります。内容としては、語学研修、ホストファミリーとの交流を中心にしながら、現地校への訪問、施設見学や観光などを含んだ日程となっています。ICCの生徒のみなさんが蓄積してきた語学力を試し、ブラッシュアップを図る場が、語学研修やホストファミリーとの交流、現地校訪問などにあると思います。

本校が大切にしている教育の柱は3つあります。「いのちを大切にする教育」、「平和の担い手として世界とつながる教育」、「豊かに生きる力を育む教育」です。特にICCの生徒のみなさんには、グローバルな視点からこうした課題に向き合ってほしいと期待しています。

本校は、国内で戦後いち早く海外研修に取り組んだ高校としての歴史を持っています。初めての修学旅行は、1969年でした。行き先は、まだ当時アメリカの占領下にあった沖縄でした。戦争と平和について考える旅行になりました。当時パスポートが必要でしたが、1972年に日本に返還されましたので、行き先を韓国に変更し、日本修学旅行協会の記録では、この1972年の本校の取り組みが、戦後最初の海外修学旅行と明記されています。

例えば、オーストラリアにも、先住民族であるアボリジニーの人々の生活と迫害を受けてきた歴史があります。現在のオーストラリアでは、約2700万人の全人口のうち約80万人(3%)がアボリジニーの人々であり、5万年前から居住し、アフリカに次いで、世界でも最古級の民族と言われています。このような視点も持ちながら、学んできてください。

みなさんに前期に書いていただいている生活アンケートの中で、将来どんな人になりたいかという問いに対して、「いろんな国の人々と関わり日本と海外の架け橋になりたい」と書いてくれた生徒がいました。

みなさんが、この機会に国内だけではなく、国際社会にも視野を広げ、ケアンズの方々との出会いと交流をきっかけにして、「日本と世界の平和の架け橋」になっていくような人になっていただくことを願っています。どうぞ、体調に気をつけて元気で行ってきてください。