学校長の春日井です。本日は、第5回オープンキャンパスに、多数ご参加いただきありがとうございます。さて、私学の授業料無償化についてですが、次年度から私学の授業料平均にあたる45万7千円を国が全生徒に助成するという制度がスタートすることとなります。このため、本校では現行の授業料42万円に学習費8万円の一部を移し替え、補助を全額受けていただくために、次年度は授業料を45万7千円、学習費を4万3千円と設定します。別途お願いしています施設設備費も含めて、次年度の校納金の値上げは行いません。
さらに、部活動へのS推薦に伴う奨学金に加えて、成績優秀者への奨学金拡充、ご家族に本校卒業生がおられる場合のファミリー奨学金増額、本学園の保育園・こども園などの卒園者へのエデュケアー奨学金新設などを行います。
本校は、キリスト教主義に基づく人間教育を大切にしています。それは、学園訓「地の塩 世の光」に込められています。この学園訓を自分の言葉で後輩たちに伝えていこうと生徒に話しています。私は、生徒たちに自分の言葉で次のように伝えています。「みなさん一人ひとりは、かけがえのない存在です。自分らしく生きることで、誰かを助けることができればとても素敵な人生になることでしょう。でも、そんなことがなかなかできない時があっても大丈夫です。あなたのかけがえのなさは変わりませんから」。
学園訓に基づき本校が大切にしている教育の柱は3つあります。「いのちを大切にする教育」、「平和の担い手として世界とつながる教育」、「豊かに生きる力を育む教育」です。ちょうど昨夜、海外研修から2年生が戻ってきました。ICC(国際コミュニケーションコース)はオーストラリアへ13日間、それ以外のコースは、韓国、台湾へ4日間、現地校やホームステイ先との交流などを行ってきました。また、2026年度内の完成を目指して、中庭に学びと交流の場として、新校舎を建設し、ラーニングコモンズとして探究型の学びの拠点にしていきます。
また、今年から火曜日を部活動一斉休止日にして、70名余りの教職員で100余りの放課後ゼミを開設しています。英文法、数学など受験に向けたゼミ、英検など資格を目指すゼミ、3Dプリンターを使った創作ゼミ、めっちゃうまいカレーパン作りのゼミ、地域で小学生の学童寺子屋塾のチューターになるゼミもあります。私も「論文とラブレターの書き方-伝えたい人のために-」というゼミを開講しています。先日、3年生が2名校長室に来て、「自分たちも放課後ゼミをやりたい」と要請がありOKを出しました。
9月からは、教育機関「トモノカイ」と連携して、毎日3時間トレーニングを受けた大学生3名を招いて「メンター付学習室」を開設しています。個々への学習支援に加え、各学年の課題に応じた企画について、学年の教職員とも連携しながら取り組みを進めています。
本校の生徒たちは、オープンキャンパスにもボランティアとして積極的に参加し、高校での学びと生活の様子を自分たちの言葉で語ってくれています。また、本校は部活動、学習、行事のどれかを頑張るのではなく、部活動、学習、行事のすべてに自分・自分たちの目標やペースに応じて取り組むことを大切にしています。その中で、たとえば、バスケット部女子、バレー部女子、ハンドボール部男子、サッカー部女子、英語ディベート部などは全国大会に出場しています。そして大学などにも進学を決めています。高校生活で「ねばならない」で追い詰められ疲弊するのではなく、やりたいことを見つけ、仲間と一緒に楽しみながら伸びている生徒がたくさんいます。その結果、卒業後の進路先での伸びしろを身に付けて、大学などでさらに伸びている生徒がたくさんいることは、本校の強みであると考えています。
私学の授業料無償化は、公立と私立が同じ土俵に上って持ち味を発揮し、中学生のみなさんにとっては、人生・進路の選択の幅を広げていく意味を持っていると考えています。
この時期に、本校のオープンキャンパスに参加していただけているということは、本気で入学を考えていただいている、あるいは本気で迷っていただいていると大切に受け止めています。私の父は、私が40歳の時に65歳で亡くなりましたが、人生の選択の岐路に立ったようなときに、心の中に住んでいる父によく相談しました。その時の父はいつもニコッと笑って、「迷ってるんだったらやってみろ」とそっと背中を押してくれました。それで中学校から大学に異動し、それで大学からここにいます。もし迷っておられるのでしたら、是非ここでやりたいことにチャレンジし、私たちと一緒に3年間根を張っていきましょう。
以上、開会のご挨拶とさせていただきます。