高等学校校長の春日井です。本日は、ご多用のなか、先生方には多数ご参加いただき、誠にありがとうございます。また、本学園の中学校・高等学校に生徒を送っていただいておりますことに、改めて感謝申し上げます。
私は、京都の公立中学校で23年間、立命館大学で23年間の勤務を経て本校の校長に着任し3年目を迎えています。2001年の単位制課程の立ち上げに参画し、毎月のケース会議で20年あまりのご縁がありました。
3月に卒業した単位制のある生徒は、卒業礼拝で代表として次のように述べてくれました。
「単位制では、学校に来れていない人のことを責めずに、自然と気に掛ける人がいたり、無理に励ましたりもせず、距離を詰めすぎることもありませんでした。どんなクラスメイトのことも、同じ空間にいることを当たり前だと受け入れてくれる空気がありました。単位制に入ってから、何かを無理に頑張らなくてもいいし、完璧にできなくてもいいのだと考えられるようになったことが、すごく大きな支えになりました」。
今年度は、私学授業料無償化の追い風と本校独自の様々な取り組みの中で、昨年比100名余りの増となり、過去最多の新入生425名を迎えることができました。滋賀県では公立高校から私立高校への専願者が500名増となり、大きな変動期を迎えています。
学園訓「地の塩 世の光」のもと、本校の教育で大切にしていることは、「いのちの教育」「平和の担い手として世界とつながる教育」「豊かに生きる力を育む教育」の3つです。 こうした本校の学びは、この間の国際状況の中で、より大切になっていると考えています。
また本校は、何か一つだけやっていたらいい学校ではありません。それは、学びと活動の世界を狭めてしまいもったいないことです。「文武不岐」を軸として、日々の授業や礼拝、学校行事、部活動、海外研修、生徒会活動、地域活動、留学体験など、多様な取り組みのなかで自分のやりたいことをたくさん見つけ、仲間と一緒にチャレンジしてほしいと考えています。こうした学びと生活の蓄積が、3年後の進路選択にもつながっていくからです。
私たちは、生徒の夢や希望、ワクワクをカタチにしていく学校を、生徒と一緒に創造していきたいと考え、この間次のような取組を進めてきました。
①日々の授業改善と探究型の学びを深めるために、保護者参加を含めた授業公開と生徒の代表参加による授業研究会の開催。②毎週火曜日を一斉部活動休止日とし、全教職員の参画で生徒も教師も一緒にワクワクできる「放課後ゼミ」の開講。③民間教育機関と連携し、月曜から金曜日まで毎日放課後3時間、トレーニングを受けた4名の大学生によるチューター付学習室の開設。④保護者からいただいた学校評価アンケートの結果を全教職員で共有し、授業、進路指導、部活動、生徒との関わり方などの改善につなげる。⑤教職員の研修を進めるためにワーキングチームを立ち上げ、事例検討・グループワークを含んだ校内研修会の実施。⑥中高の教職員に対して、働きながら大学院へ進学できる教職員研修制度の立ち上げ。⑦高校紹介のパンフレットの全面改訂、学力優秀層への奨学金政策、ICCの出張授業、公式インスタグラム、校長ブログなどを通して、中学生・保護者に届く募集活動の展開。⑧全教職員が教育実践への省察(リフレクション)を行い「省察レポート~子どもと向き合い、自分と向き合うことを通して~」を書いて共有し、次年度の教育実践につなげる。
また、2027年秋の完成を目指して、中庭正面の恵愛館をラーニングコモンズとして新築し、探究型の学び、地域との連携の拠点などとして、中高で活用していきます。本校は、落ち着いた雰囲気で、気さくで誠実な生徒が多い学校です。いろんな場で、拍手や挨拶の声が自然体で起こる学園です。先週は、学園祭の体育の部と文化の部を開催しました。安心・安全で楽しい学校、失敗付きの練習ができて排除されない学校の姿が、そこにはありました。私も、5人の団長とアトラクションで肩を組んで100メートルを一緒に走りました。前日には、どんな体育の部にしたいのか5人の団長と校長室で話し合い、それを選手宣誓の中身にしていきました。そんな日々は、とても楽しいです。
進路選択についてですが、本校では約半数が、指定校推薦で進路を決定しています。残りの半数が、自己推薦、総合型選抜、一般入試などです。今年度の入試の平均点は20点余り上昇し、こうした生徒が増える傾向にあります。指定校推薦は本校の強みとして生かしつつ、もう一歩高みを目指してチャレンジしていく生徒、それにふさわしい資質能力を高めていく取り組みも強化していきたいと考えています。