
本校アーツサイエンスコース3年生の小西琉偉さんが、「平和へのメッセージ from 知覧 スピーチコンテスト」で最優秀賞を受賞しました。(写真はその際の表彰式に出席した際の様子です。)小西さんは、そのほかにも、永井隆平和賞 優秀賞、「働くってなんだろうエッセイ」コンテスト 特選 勤労青少年躍進理事長賞、観光経済新聞 論文コンテスト 佳作入賞、守破離関西万博ビジネスコンテスト 情熱アイデア賞、拓殖大学工学部 ORANGE CUP 2025アイデアのタネコンテスト最優秀賞を相次いで受賞しました。ASC独自科目のASLで培った力の成果が現れたといえるでしょう。小西さん、おめでとうございます。
以下、小西さんの授賞式に出席しての感想を掲載します。
わたしは、今年の8月15日、終戦の日に開催された「平和へのメッセージ from 知覧 スピーチコンテスト」において、最優秀賞をいただきました。このコンテストは、「あした いのち かがやけ」というテーマのもと、全国の高校生が応募し、世界の恒久平和を願い、それぞれの平和への思いを発信する場です。小学生から社会人の方まで、参加者一人ひとりが自分の言葉で平和について考え、その熱い思いを伝えようとする姿が、とても印象に残りました。
わたしは高校二年生のとき、文部科学省主催の留学プログラム「トビタテ留学ジャパン」に選ばれ、地中海の島国・マルタ共和国で留学を経験しました。異なる文化や価値観、生活習慣に触れる日々の中で、平和の尊さやその維持の難しさについて深く考える機会を得ました。言葉や文化の壁を越えて互いの想いを伝え合う大切さを身をもって知ったことで、平和とはただ与えられるものではなく、自ら育て、守り続けるものであるという気づきを得ることができました。特に、ハフッドというリビア出身の青年との対話を通して、日本とリビアの戦争や平和に対する価値観の違いを知った経験は、わたしにとって大きな衝撃であり、これまでの常識や価値観を大きく変えるものでした。このマルタでの経験をもとに、自分の平和への思いを全国に広めたいと考え、平和スピーチコンテストに応募しました。

スピーチでは、留学での経験を踏まえ、自分なりの「平和の育み方」について発信しました。特に意識したのは、従来の「平和を守る」という受け身の考え方から、「平和を育む」という能動的で前向きな視点への転換です。高校生という立場から、世界とどのように関わり、歴史の中で築かれた平和を尊重しつつ、未来に向けてさらに広げていくことができるのかを考え、訴えました。
わたしの将来の夢は、豊かな経済成長と国際協調を基盤にした平和を育むことです。その手段の一つとして、起業を通じて、発展途上にあるアフリカや東南アジアの国々との経済的連携を促進し、地域社会と世界全体の双方に貢献していきたいと考えています。国と国、人と人をつなぎ、互いの理解と協力を深めることで、少しずつでも平和の輪を広げていく――そんな未来を描いています。
この夏の平和スピーチは、夢に向かうわたしにとって小さな一歩かもしれません。しかし、この経験を通じて得た学びや気づきは、これからの成長の糧となり、将来の夢を実現するための確かな基盤になると信じています。高校生として、今わたしにできることを精一杯行いながら、世界に向けて自分の思いを伝え続け、平和を育む行動を少しずつ積み重ねていきたいと思います。